[ 徳島市三軒屋町 ]

やまなみ珈琲店【本部】

250外観

清潔感があり、落ち着ける雰囲気の店内は、ランチはもちろん、何時でもOKというモーニングを楽しんでいる人もいて、終日多くのお客さんで賑わう。
徳島で知らない人はいないほど圧倒的な知名度を誇る「やまなみ珈琲店」さんは、ここ三軒屋店を拠点に、松茂店、バイパス店、南末広店、石井店と、現在県内に4店舗をフランチャイズ展開。各店のオーナーの感性が感じられる店づくりも魅力となっている。三軒屋店のオーナーで、グループ全店の焙煎も担っているのが岸幸子さん(昭和26年生まれ)。凛としていながら女性らしいあたたかさを感じるこの方こそ”やまなみ”という大ブランドを確立した、本部オーナーだ。

小松島店舗外観

小松島店(創業時)

創業者は幸子さんの亡夫、明博氏。最初の店舗は、徳島に珈琲ブームが拡がり始めた昭和49年、小松島市の(旧)日本赤十字病院の西側に誕生した。
”やまなみ”という店名は、明博氏が大学時代を九州で過ごしたこともあって“九州で一番有名なドライブコース”と言われる「やまなみハイウェイ」から名づけられた。子供からお年寄りまで、読みやすく覚えてもらえやすいことから、そのままひらがなで「やまなみ」とした。当時の徳島は洗車場が流行っていて、明博氏も初めは喫茶店付きの洗車場を計画していたが、奇しくもオイルショックで計画は白紙に。

珈琲人チェーンやまなみマッチ

珈琲人チェーンやまなみマッチ
昭和59年のもの

そんな折、ハマヤ株式会社徳島営業所の当時の所長、島村祚津夫氏より紹介された「珈琲専門店 珈琲人チェーン」の創設者、和田哲雄氏との交流が始まり、その特徴的な深煎り珈琲で徳島県下に次々と展開をし始めていた「珈琲人チェーン」の加盟店としてスタートした。「珈琲人チェーン」のコーヒーは、飲む人によって好き嫌いがはっきり分かれる深く濃い味だったが、多くの徳島人の嗜好に合い、また”珈琲専門店”と称する店がまだ他に存在しなかったこともあって「これこそがコーヒーの味」として印象付けられるほど、大ブームとなる。(最盛期には23店舗存在した。)

沖浜店マッチ

沖浜店マッチ
創業時(昭和63年)のもの

しかしオープンから割と早い段階で「店独自の特徴を出したい、自分の思うコーヒーを出したい」と思っていた夫妻は、「徳島駅前店」をオープンさせる前にはすでに、当時徳島ではまだ珍しかった自家焙煎を始めており、幸子さんは大阪へパンの勉強に行くなど、徐々に本物志向の店へとスタイルを変えていく。”パンはパン屋から”というのが当たり前の時代に、喫茶店が独自にパンを製造するスタイルも画期的で、業界の中でも飛びぬけた存在になっていった。それから3年後、「沖浜店」をオープン、人気は不動のものとなる。
しかし、平成3年に明博氏が亡くなり、一人で再出発することになった幸子さんは焙煎場として「城東店」を建て、空いたスペースを利用し喫茶店としても営業、その傍ら大阪心斎橋にも店を出すなど(2年ほど)、常に前向きに取り組んできた。そんな幸子さんの周りには、「やまなみ」にもう20年以上勤めているという女性スタッフをはじめ、信頼できるスタッフが多く揃う。各店に共通して感じる、食器やカトラリーにいたるまできれいに手入れされている点や、”また利用したい”と思わせる心地よい丁寧な接客サービスを見れば、いかに各店のオーナーやスタッフが”やまなみ”に愛着を持ち、大事にしているかが分かる。以上のことからしても、コーヒーやフードメニューの味は言うまでもなく、やはりそれほどの魅力を備えたブランドであることは間違いない。

小松島店舗店内

小松島店(創業時)

沖浜店舗外観

沖浜店(創業時)

城東店舗外観

城東店(創業時)

店内

店内

店内BOX席

店内BOX席

店内カウンター席

店内カウンター席

店舗のあゆみ

創業者:岸 明博 本部オーナー:岸 幸子

1974年(昭和49年) 小松島市の旧日赤病院西側に「珈琲専門店 やまなみ」を開店する。
1985年(昭和60年) 幸子さんが徳島市寺島本町に「駅前店」を開店させる。(現在は森珈琲店)
1988年(昭和63年) 徳島市沖浜に「本格志向の喫茶店 やまなみコーヒー店」として開店。
1992年(平成4年) 幸子さん一人での再出発。
1994年(平成6年) 自家焙煎の工場として「城東店」を開店、後に喫茶を始める。(現在はあかさこ珈琲店)
2001年(平成13年) 8月、城東店での焙煎が手狭になったこともあり、現在地に「三軒屋店」を開店させる。
2004年(平成16年) 7月、「小松島大林店」FC店として開店。
2004年(平成16年) 7月、「沖浜店」FC店として営業開始。
2005年(平成17年) 6月、「応神店」FC店として開店。
2008年(平成20年) 11月、「松茂店」FC店として開店。
2011年(平成23年) 7月、「国府店」FC店として開店。→2015年(平成27年)7月閉店。
2012年(平成24年) 1月、「小松島大林店」が小松島市芝生町へ移転し「バイパス店」となる。
2015年(平成27年) 12月、「南末広やまなみカフェ」FC店として開店。
2016年(平成28年) 4月、「三軒屋店」リニューアル。
2016年(平成28年) 4月、「石井やまなみカフェ」FC店として開店。